コンピュータスキル¶
はじめに¶
SUMOを使うためにはいくつか基本的なコンピュータスキルが必要になります(Linuxユーザはおそらく親しみがあるでしょうから、以下の説明はMS-Windowsを示します)
テキストエディタの使いかた¶
正確な動作のためにSUMOでは設定ファイルとデータファイルが必要です。 こうしたファイルはテキストファイルを使って作成/編集します。
Windowsでは次のようにして基本的なテキストエディタを開きます。
Start->Windows Accessories->NotePad
(Windows10 日本語の場合は、スタート->Windowsアクセサリ->メモ帳)
メモ帳は極初歩的なテキストエディタです。 より多くの機能を備えたエディタに移ることで、快適性と生産性を上げることができます。 Notepad++ (日本語での紹介)やvim、あるいは「テキストエディタ 比較」などで検索してみるのがいいでしょう。
注
SUMOが扱うファイルは慣習にしたがって、.xml
で終わるものと、.sumofg
に分かれます。
Windowsのエクスプローラでダブルクリックしても望んだテキストエディタで開くとは限りません。
テキストエディタの方からファイルを開くか、ファイルの関連付けを変更する方法を学んでください
訳注
原文ページではcomparison of text editorsが紹介されていますが、日本語ページがないため消しました。
フォルダとファイルを使いこなす¶
SUMOで必要な様々なファイルを扱うためには、そうしたファイルをシステム中から見つけださなければなりません。 初心者はWindowsエクスプローラの使い方をここから調べてください。
コマンドラインからのプログラム実行¶
SUMOは多くのプログラムから構成されています。 sumo-gui.exeから起動するSUMO-GUIのみがグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を持っています。 その他の全てのプログラムはコマンドラインから起動する必要があります。
はじめにコマンドラインを開く必要があります。 Windowsでは"cmd.exe"(Win+rキーを押し、出てきた画面にcmd.exeと入力)を起動します。 黒いウィンドウが開いたら、それがコマンドラインです。 バージョン0.12.3からはstart-commmand-line.bat(下の説明も参照)をダブルクリックすることで、使いやすく環境変数が設定されたコマンドラインを開くことができます(SUMOの実行ファイルのあるフォルダに一緒に入っています)。 Linuxを使っているなら、ターミナルを開いてください(例: xterm)
コマンドラインからはプログラムの名前とそのプログラムのオプションを書くことでプログラムを実行することができます。 これは自動化しやすく、繰り返しのあるタスクにはGUIよりも便利です。 コマンドは以下のようなものです。
netconvert --node-files=hello.nod.xml --edge-files=hello.edg.xml --output-file=hello.net.xml
netconvertはプログラムの名前であり残りのコマンドはそのプログラムのオプションを設定しています。
下の節を見ればSUMOを始めるのには十分でしょう。 コマンドラインに関するより詳しい情報についてはコマンドラインアプリケーションの使い方を見てください。
訳注
原文にはコマンドラインの詳しい使いかたとしていくつかリンクが載っていますが、リンク切れなものや日本語版がないとの理由から省略しました。
SUMO 0.12.3以降¶
SUMOリリース(ダウンロードした全てのSUMOファイル/フォルダ)のなかに binというディレクトリがあります。 このディレクトリにはstart-command-line.batというバッチファイルが含まれています。 このバッチファイルはコマンドラインを起動し、SUMOプログラムを起動させることができるか確認してくれます。
- start-command-line.batをダブルクリック
- cdコマンドを使って、設定ファイルやネットワークファイルのあるディレクトリに行く 1。 以下のようなコマンドを入力しEnterキーを押す
netconvert --node-files=hello.nod.xml --edge-files=hello.edg.xml --output-file=hello.net.xml
訳注
原文ページには0.12.2以前のバージョンでの方法が書かれていますが、リリースが5年以上前なこともあり、すでに使っている人がほとんどいないだろうと考え、今のところ翻訳していません。
SUMO_HOME¶
多くのツールを使うために、SUMO_HOME
という環境変数がSUMOがインストールされた基底のディレクトリに設定されている必要があります。
基底のディレクトリとはbinとtoolsのあるフォルダのことです。
環境変数の設定についての説明は下の方を参照してください。
注
この値は入力のバリデーションにおいてxsdスキーマファイルを見つけるのにも使われます。 値が設定されていない場合、スキーマファイルはインターネットからダウンロードされ、sumo.dlr.deサーバーに接続できない場合、保管されます。
パスの設定¶
コマンドラインからプログラムを快適に動かすためには、PATH
とSUMO_HOME
を設定しなくてはいけません。
Windows¶
注
SUMOを.msiインストーラによってWindowsにインストールした場合、この設定は自動的に行なわれます
- マイコンピュータを右クリックし、プロパティをクリック
- 詳細設定タブをクリック
- 環境変数をクリック
- ユーザー環境変数の欄でPATH(またはPath)を選択し編集をクリック。見つからない場合は 「新規」ボタンから作成
- PATHの値に
;C:\Program Files\sumo-1.2.0\bin
を追加(元からある値は残す) - ユーザー環境変数の欄でSUMO_HOMEを選択し編集をクリック。見つからない場合は 「新規」ボタンから作成
C:\Program Files\sumo-1.2.0
をSUMO_HOMEの値に設定
注
C:\Program Files\sumo-1.2.0
は自身のsumoディレクトリにおきかえてください
警告
新しいパスの設定を適用するには、全ての開かれているコマンドラインウィンドウを開きなおす必要があります。
Linux¶
一時的な解決策¶
環境変数を一時的に設定するには、次のコマンドをターミナルに打ちこんでください。
export SUMO_HOME="/your/path/to/sumo/"
これは現在のシェルにおいて実行される全てのプログラム、スクリプトで使われる環境変数を設定します。 これは他のシェルセッションや現在のシェルの終了後には影響を与えません。
注
/your/path/to/sumo/
は自身のsumoディレクトリに置きかえてください
永続的な解決策¶
環境変数を永続的に設定するには以下のステップを踏んでください。
- ファイラーを開き
/home/YOUR_NAME/
フォルダに行く - .bashrcファイルをテキストエディタで開く(ファイラーで隠しファイルを見えるようにする必要があるかもしれません)
export SUMO_HOME="/your/path/to/sumo/"
をファイルの適当な場所に書きこみ、保存する(元から書きこまれている内容は消さない)- コンピュータを再起動する(または、一度ログアウトしてから再ログインする)。
こうすることで、現在のユーザーアカウントのもとで開かれるどのコマンドラインプログラムでも環境変数が使えるようになります。
注
YOUR_NAME
は自身のユーザーネームに、/your/path/to/sumo/
は自身のsumoディレクトリに置きかえてください
パッケージ版SUMO¶
パッケージマネージャ(例: apt)からSUMOをインストールした場合、SUMO_HOMEの値はtoolsフォルダの含まれているフォルダになります。 Ubuntuでは以下の場所です。
/usr/share/sumo
コマンドラインの小技¶
コピー/ペースト¶
コマンドラインでは標準的なコピー/ペーストに関するショートカットが効きません。 コピー/ペーストのためにはコマンドラインウィンドウを右クリックする必要があります。 利便性向上のためには、コマンドラインウィンドウのタイトルバーをクリックして、「プロパティ」を選択し、「オプション」タブで「簡易編集モード」にチェックを入れます。 こうすることで、マウスの左ボタンでテキストを選択し右クリックでコピーすることができるようになります。 もう一度右クリックすることで、コピーしたテキストをペーストすることができます。
過去のコマンドの繰り返し¶
上下矢印キーを使うことで、以前入力されたコマンドの履歴をたどることができます。 表示されたコマンドを書きなおしたり、単にenterキーを押すことでもう一度そのコマンドを実行できます。